レジンで何かを作ろうとする時。
レジン液とライトを手に入れるまではいいけど、それをどうすると作品にできるのか。
レジンクラフトをはじめた時、私はこの情報を見つけられなくて立ち往生しました。
最終的に複数のサイト等の情報を統合して理解しましたが、とってもめんどくさかったので。
ここでまとめておこうと思います。
大きく分けて、レジン作品の作り方は4種類あります。
ミール皿作品
もっとも簡単に作れて、初心者におすすめなのが、ミール皿。
皿という名前のとおり、底があってレジン液を注げるくぼみのある枠です。
底は必ずしも平らではなく、枠の深さにもとくに規定はありません。
レジンを注げるくぼみさえあればミール皿として扱われる場合もあります。
注ぎすぎない限り、レジンがこぼれ出る心配がなく、その点が初心者向きです。
形はオーソドックスな丸やオーバルから、複雑でユニークな形状までさまざま。
扱いが楽ですが、底があるため、裏から光を照射できないという欠点があります。
薄い層を重ねていく、あるいは長めにライトを照射して硬化不良を防ぎましょう。
空枠(からわく)作品
ミール皿同様、レジンを注げるくぼみのある枠ですが、ミール皿と違って、底がありません。
両側から見ることのできる作品、ステンドグラス調の作品などが作れますが、作業時、レジンが枠から流れ出てしまわないように、なんらかの形で仮の底を作ってやる必要があります。
底をきちんと作ってやらないとレジンが流れ出してしまうリスクがある、同様に、硬化が不十分だと底を剥がした時に中に未硬化でたまっていたレジンが流れ出すなど、失敗の可能性がやや高い枠です。
モールド作品
主に半透明のシリコンでできた型にレジン液を注ぎ、硬化したものを外して作ります。
単体で1つの作品が作れるタイプと、複数の型が1つにまとまっているタイプがあります。
枠がないため、型から取り出したあとはガラス作品のような質感になります。
ただし、モールドの内面が鏡面仕上げではない場合、型から抜いた表面はくもりガラス状となっており、研磨あるいは仕上げニス・コーティング剤などで表面を加工する必要があります。
ミール皿や空枠とくらべて厚みがあることが多く、何層にも分けて少しずつ厚みを出していかないと硬化不良を起こしやすくなります。
それだけ容積が大きいので、1つの作品あたりに使用するレジン液の量が多くなります。レジンの消費量を細かく気にするタイプの人にはあまり向きません。
また、シリコンは永久的に使用できるわけではなく、使用回数や保存状態、期間にもよりますが、最終的には劣化してきれいな作品が作れなくなります。同じ形の作品を大量に制作したい場合、型を買い直す必要が出てきますが、型に限らず枠もですが、定番商品は多くはなく、次々新しい商品が出て古いものはどんどん廃盤になっていきます。使えなくなったら買えばいいや、と思っていると二度と手に入らないということもあるので注意が必要です。
もう一つ、光に反応して硬化するタイプのレジン液を使用する場合、硬化時の収縮が大きく、モールドとの間に隙間ができて段差になる、表面がヨレるなど、不完全な形に仕上がってしまうことがあります。
最近ではシリコンモールド専用レジン液、専用でなくとも収縮の少なさを売りにしているレジン液なども発売されていますので、そういったレジン液を使用することでヨレ・縮みをある程度は防ぐことができます。
また、シリコン製であればクッキーやケーキの型、手作りソープやキャンドルの型などに流し込むこともできますが、透明・半透明以外の型は光を通さないため、UV/LEDレジンでは硬化できないことがあります。
そういった場合は光で硬化するタイプのレジン液ではどうやっても固まらないので、化学反応で硬化する2液式レジンを使います。
2液式レジンはUV/LEDレジンに比べて容量あたりの単価が低いので、原価を気にする場合も2液式レジンは選択肢に入ります。
ただし、2液式レジンは完全硬化まで24時間程度かかりますので、UVレジンのように層をいくつも作って封入物を立体的に見せたり、小さなものを手軽にぱぱっと作るといった作業には向きません。
フリーハンド作品
最近、レジン制作動画などでも目にする機会が増えてきました。
シリコン等、硬化後レジンをはがせる素材の上に、レジンを任意の形になるように注いで硬化させ、それをベースにさらにレジンを盛り、作品を仕上げるものです。
モールド作品に似ていますが、モールドを使わないため、ぱきっとした角や正確な厚みは出ません。
一方で、いかにもモールドで作りました、という画一性のない仕上がりになることでハンドメイドらしさを出しやすく、型に依存することなく自由に形や大きさを決められるため、オリジナリティの高い作品を作ることができます。
塑形したら形が崩れないうちに硬化させなくてはいけない、同じ形を複数制作するのが難しい等、一見上級者向けに見えますが、逆に、制約なしに自由に制作できるため、ある意味で初心者向きとも言えます。
少し変わったものが作りたい、オリジナリティを出したい、などといった場合に試してみるのもいいのではないでしょうか。