ビーズとビーズワークの基礎知識 #とは

ビーズというと、いわゆる丸小とか丸大などのシードビーズや、デリカビーズなどといった、「小さくて穴のあいている物体」を想像することが多いかと思います。

が、じつはビーズ、beadとは「(糸に通した)ガラスや石、貝など」という意味で、つまり、beadは動詞でもあるのです。beaded stonesというように、「糸をとおしてつなぐ(つないだ)なにか」、というような使い方をします。

つまり、極論、穴があいていなにかをとおしてつなげて使うものは全部ビーズです。

なので、ビーズを使う作品といっても、まったくもっていろんなものがあります。

突き詰めると、全部「ビーズの穴に何かをとおして作る」ものではあるんですが、何をとおすか、何にとおすか、どんなふうにとおすか、とにかくできることの範囲が広い。

ビーズをやるひとがすべてをやるわけではないですが、1つだけをやるわけでもない人もたくさんいます。

というかテクニックじたいも、必ずしも1つだけを使うわけじゃないし、ステッチの資材を使ってテグス系のワークをやることとかもあったりします。

なのでぱっきり分かれるわけではないですし境界線はふわっとしてますが、ビーズワークにはどんなものがあるかを、とってもざっくりと紹介したいと思います。

シングルストランド

わりと基本中の基本。Single strand、つまり1本の糸(ゴム・ワイヤー)に通して作るものです。

自分で決めた順番、あるいは種類のビーズをほしい長さだけ通して、両端を結んで1つの輪っかにしたり、両端に金具をつけたりして仕上げます。

天然石のブレスレットや、真珠のネックレス、なんてものがこのカテゴリーに入ります。

単純そうに見えますが、じつは案外難しいです。

ゴムを結んで1つにするのも、すぐほどけちゃったり、きつく結ぼうとしてゴムを引っ張りすぎてビーズががちがちになっちゃったり、同じく引っ張りすぎでゴムを伸ばしちゃったり切っちゃったり。

じゃあ端を処理して留め具にすればいいかというと、隙間なくちょうどよく処理するのも難しかったりするんですよね。

単純なものほど奥が深い。

テグス系

ビーズに糸を通して編むもののうち、主にテグスやナイロンコートワイヤーを使って編むもの。

大きな特徴として、基本的に、糸(テグス・ワイヤー)には針をつけません。テグスじたいを針がわりにします。

交差編みが基本で、応用として花編み、ビーズボール、ハートといった、ビーズを使ってなんらかの立体的な形を作るもの、また、主に大きめのビーズ、教本などではスワロフスキーを使うのがほぼ定番。

8ミリ以上とかのビーズになると、しっかり編める糸ってかなり限られてくるのでやっぱり太さのバリエーションも多いし張りのあるテグスのほうが向くようになると思います。

また、編んだものを、あるいは編みながら、金具などに巻きつけてアクセサリーを作るのもわりと定番です。

ビーズ織り(オンルーム)

on loomという言葉のとおり、織り機にタテ糸(経糸)を渡して、その間にビーズをとおして織る方法。

タテ糸の間にビーズを並べていく、という性質上、ビーズが上下左右に整列して並ぶのが特徴です。

織り機は、手のひらサイズから巨大サイズまでさまざま。

たんなる四角だけではなく、減らし目や増し目もできます。

ビーズステッチ(オフルーム)

オンルームに対してオフルームoff loomと呼ばれる、織り機を使わずにビーズを、いわば縫い合わせる手法です。

テグスワークとの一番大きな違いは、ビーズステッチ用の針に糸を通して編んでいくのが基本だというところです。

いくつかの基本的なステッチがあり、それらを組み合わせたり減らし目増し目を駆使して形状を変えたりします。

外国ではこれもbead weavingの一種だという意識が強いのか、シート状あるいはチューブ状に編むことが多いようですが、日本だととくにシェイプドステッチと呼んで動物や物体、あるいはキャラクターの形のビーズ作品を作ることもけっこうあるようです。

ビーズクロッシェ

どちらかといえば編み物の範疇に入るビーズワーク。

最初にレースや毛糸などの糸に自分で決めたパターンなどの順番でビーズを通し、そのビーズを一定の法則や編み方にしたがって編地に編み込んでいくもの。

チューブクロッシェと呼ばれる、よくあるのは斜めストライプのチューブ型のバングルなどがわりと有名ですが、ビーズの通し方、編み方によってさまざまな仕上がりにすることが可能です。

ビーズ刺繍

呼び名のとおり、刺繍にビーズを使う手法。

ビーズを布地に縫い付けて図柄を描いたり図柄のアクセントにしたりします。

ビーズにとおす、というよりも、ビーズを配置するようなイメージ。

衣服などの大きな作品から、フェルトなどにビーズを縫いつけたものをアクセサリーに仕上げるなど、幅の広い表現ができます。