丸小ビーズは11/0、丸大は8/0。特小なら15/0。
*/0とは、ビーズの大きさを表す単位です。
ところでこの[/0]の部分ってどういう意味かご存知ですか。
単位はaught
ビーズのサイズをあらわす、*/0の表記。
日本ではあまりなじみのない書き方ですが、大だの小だの言ってるのはじつは日本だけで、外国ではどこでもほぼ/0の表記です。
ではこの/0がなにかというと、分数ではなく。
aughtという単位です。
基準となる1単位に対してあるものがどのくらいの数が入るか、を表す単位です。
具体的に言うと、ビーズの場合は、
1インチの中にいくつそのビーズが並べられるか
を示しています。
つまり、11/0すなわちeleven aughts とは、1インチに(ビーズの外径、つまり穴を上に向けた状態で)11こ並べられる大きさのビーズということになります。
8/0なら1インチに8つです。
1インチは約2.5センチ、11/0こと日本でいう丸小ビーズはおおむね2mm。厳密に割り算すると12こちょっと入るわけですが、そのへんはふわっととらえたほうがわかりやすいでしょう。
すくなくとも、特小1.5mmではどう逆立ちしても11こ並べても1インチにはなりませんし、3mmの丸大こと8/0は11こ並べたら33mmで1インチを大きく超えてしまいますので、やはり11/0といえば2mmの丸小になるのです。
ただし、日本製のデリカビーズだけはちょっと特殊で、一般的な大きさのデリカビーズは11/0表記となっていますが、実際には外径は1.6mmしかありません。したがって、MIYUKIがデリカビーズの/0をaughtの意味で使っているとしても、aughtの基準となっているのはインチではないのでしょう。
どうして/0になるのか
では、そのaughtが/0という表記になるのか。
これは、aughtがゼロの異称であることからきています。
aughtが0なので、省略して書くと11aughtsは11/0となるわけです。
発音は、11/0ならイレブン・オー(正確にはちょっとちがいますがカタカナで書くと)。
スラッシュが入る理由は見つけられなかったのですが、110と書くと数字の110に見えてしまうから区切りのためかなあ、とちょっと思っています。
/0が同じならビーズのサイズは同じなのか
では、11/0なり8/0のビーズは、どれも同じ大きさなのかというと、経験則からいってもそうではないことはビーズをやる人ならわかると思います。
そもそも11/0なら11こ、6/0なら6こ並べれば1インチになる、というaughtも、上にも書いたように今ではそれほど厳格には守られていません。
ビーズは同じロットのものでも大きさにそれなりにばらつきがありますが、全般に、日本製ビーズはわりと筒型に近い形をしていてやや高さがあり、一方チェコ製のシードビーズはむしろ高さが低くそしてドーナツに近いような形でやや中央がふくらんでいます。場合によっては、同じ11/0でもそれこそaughtが1つ2つちがうのではないかと思えるほど大きさの差があります。
したがって、複数の色でビーズ作品を作る場合、使うビーズはなるべく同じメーカー、あるいは最低でも同じような形サイズのものの中から選ぶようにしましょう。そうでないとビーズ同士のサイズ差で作品に歪みが生じ、意図したとおりの仕上がりにならなくなることもあります。
同じ丸小、同じ11/0だからと安心せず、製造元のちがうビーズを一緒に使う場合は自分の目でおおむね同じようなサイズのビーズであることを確認しておきましょう。
蛇足ですが、最近は百均で扱う手芸資材の幅がだいぶ広くなりました。
ふつうに資材ショップで売られているもの、たとえば資材ショップなら5こパック400円で売られているものが1こ売り100円で売られているようなことも増えてきました。
もちろん、シードビーズもそのラインナップに含まれています。最近では丸小だけでなく丸大や竹ビーズも見かけることが増えてきました。
ですが、シードビーズに関しては、ぶっちゃけ、安いビーズには安いなりあるいはそれ以下のクオリティしかありません。
同じパックに入っていたものでも大きさがばらばらすぎてとても編めないようなものだったり、竹ビーズを買ってみたらほぼすべてのビーズの切り口がささくれて割れていてとても使えたものではなかったというようなこともありました。
もちろん、資材店で買えるシードビーズも、ノンブランドのものはものによって一番小さいものと一番大きいもので倍ぐらい大きさが違ったりしますが、まだ百均のものよりは均一ですし、同じショップで同時期に買ったものであれば(もしくはそのショップで定番化されているものであれば)ほぼ同じ輸入元から仕入れていますからノンブランドなりに統一された規格(ばらつきも含めて)であることが多いです。
常に均質なものが手に入れたい場合はやはりTOHOやMIYUKIといった有名日本ブランドが、どこで買っても同じものが手に入りますし、クオリティもダントツで安定しているので(もちろんTOHOとMIYUKIでは微妙にサイズが違います)そちらを揃えて使うのがいいでしょう。