「レジン液」は大きくわけて2種類あります。
ここでは「2液式(エポキシ)レジン」について説明します。
レジン液の種類
ハンドクラフト用のレジン液の種類は、大きくわけて2つあります。
ひとつは「UVレジン」
もうひとつが「2液式(エポキシ)レジン」
どちらも、できあがる完成品が「かたまった樹脂」であることは同じ。
何がちがうかというと、硬化のしくみです。
2液式(エポキシ)レジンの特徴
2液式(エポキシ)レジンは、硬化に光を必要としません。
2液式という名前のとおり、2種類の薬剤を混合することで化学反応を起こさせ、その化学反応の結果として硬化します。
1液2液、あるいは主剤硬化剤と呼ばれますが、2種類の液体を混ぜなければいっさい硬化はしませんが、混ぜてしまったら硬化をとめることはできません。
完全硬化には24時間から48時間かかります。
収縮や硬化熱が少ない
2液式レジンは硬化がゆっくりと進むため、厚みのある作品を作る場合も縮みやよれが発生しづらいです。
また、硬化熱もあまり発生しません。
それだけ、きれいな作品が作れるということになります。
型に依存しない
2液式レジンは化学反応によって硬化するため、UVレジンのように光を当てる必要がありません。
そのため、UVレジンでは光が届かなくて使えない、あるいはごく少量ずつ層を作って固めていかないといけない不透明なシリコン型も問題なく使えます。
表現の幅がそれだけ広がるということですね。
硬化不良がほぼない
2液レジンは主剤と硬化剤を混合した時点で硬化が始まります。
このため、UVレジンのように光が足りない、届かないなどで硬化に失敗する、ということがありません。
ただし、これは正確な比率を守って混合した場合。
主剤と硬化剤の割合を間違えると正しく硬化できませんので、計量は正確に行いましょう。
コスパがいい
2液式レジンは、UVレジンに比べて安価です。
2液式レジンで最もポピュラーなクリスタルレジンの少量パッケージは150gで1300円ぐらい。
大容量になると、1.5kgで6000円等、ものすごく安くなります。
UVレジンが25gで1000円から1500円、安いものでも75g1800円程度なのを考えると相当に安いです。
ただし、一度に購入する金額としては大きいですし、1キロを超えるような量はお試しでちょっと買うような量でもありません。
大容量は使い切れるとわかってから購入するようにしましょう。
やや入手しにくい
2液式レジンは、扱う店舗がUVレジンに比べて少ないです。
100均では扱っていませんし、資材ショップでも扱っていないところも多いです。
ただ、検索をかければ扱っているネットショップはそれなりにありますし、定番クリスタルレジンはアマゾンでも扱いがあります。
すぐ手に取れるわけではないですが、手に入れるのに苦労するほどではありません。
正確な計量が必要
2液レジンは主剤と硬化剤の化学反応で硬化します。
適切な反応を引き出せる比率がレジン液によって決まっていますので、薬液を正確に計量する必要があります。
上で硬化不良がありませんと書きましたが、それはあくまでも正確に計量して混合したレジン液であれば、という前提の上です。
よく言われることですが、0.1gまではかれるデジタルスケールを用意して計量しましょう。
また、計量時にうっかり薬液を注ぎすぎてしまったらそれに対応するもう一方の剤を追加しなくてはなりません。
結果、当初計画していた量より多くのレジン液を作ってしまってもてあます、などということにもなりかねません。
計量は正確かつ慎重に。
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無駄が出やすい
1つの作品を作るのに使用するレジン液の正確な量を把握するのはなかなか難しいです。
その時どきで使うモールドやセッティングは違いますから、「今日は24.8gレジン液を使う!」などといったように正確に使用量がわかることはほぼないでしょう。
混合比率を計算しやすい、はかりやすい量にする必要もあります。
どうしても多めに混合することになります。
あるいは余らせないために少な目に混合したら足りなくなって少量を追加で混合したものの、今度は多かった、なんてこともあります。
2液式のレジン液は混合した段階で化学変化がはじまっていますので、余ってしまっても、保存はできません。
余ったレジン液はそのまま廃棄するか、さらに別の作品を作ったり、「余ったレジンをつぎ足して作っていく作品」を作るなど、なんらかの形で処理しなくてはなりません。
作ろうと思っていたぶんの作品を作ったらボトルのフタをしめておしまい、にできるUVレジンより手間どります。
作業時間に制限がある
2液レジンは混合した時点から反応がはじまります。
このため、注ぐ、パーツを封入するといった作業に時間制限があります。
この時間はレジン液ごとに違いますがおおむね1時間ぐらい。
混合する前にある程度作業手順を組み立てておかないと、思わぬ失敗につながりかねません。
硬化に時間がかかる
仕上げ硬化でも10分もあれば固まるUVレジンとちがい、2液式レジンは完全硬化に24時間から48時間かかります。
このため、層の多いレジン作品を作るのにはあまり向きません。
何日もかけて1層ずつ作っていくか、あるいは一度に型に注いで封入物を混ぜたり配置したりして完成するものを作ることになるでしょう。
2液式レジンとUVレジンの使い分けは?
仕上がりは同じレジンでも、2液式レジンとUVレジンでは、作るのに適した作品が違います。
2液式レジンは、正直、細かい作業には向いていません。
UVレジンのように、うすく1層、あるいはポイントで接着剤がわりにレジン液を流して、ライトで30秒仮硬化、封入物や着色レジンを入れてまた硬化、などといった何度も硬化の必要な作品を作るにはたいへんな根気が必要になります。
せいぜいがカラ枠やミール皿に1層流してドライフラワーなどの封入物を配置し、1,2時間たってある程度硬化が進んだら上から仕上げにもう1層流す、といった程度でしょうか。
一方で、UVレジンでは硬化不良が出たりヨレの発生する、大きめのモールドには、断然2液式レジンのほうが適しています。
こうした大きめのモールドや、ライトの届かない不透明なシリコンモールド、
封入物や着色剤と混合して一気に型に流し込むような作品は2液式レジンが適しています。
また、こうした型を使って2液式レジンでパーツを作り、それをUVレジン作品の装飾に使ったり、面積の広いレジン作品を作る時に、底のベース部分には2液式を使って、上層をUVレジンを使って細かい層作りをする、などの使い方もできます。
それぞれの特徴に合わせた使い分けで、作品の幅もさらに広がっていくことでしょう。